小林めぐみをまとめ読み

 星屑はSFミステリ風味コメディ。食卓はSFネタ一発勝負コメディとスラップスティックの短編集。近所の書店を幾つか回ってみたのですが、前者の第1巻がどこにもありません。後者は全巻揃いで簡単に入手できたのに。そもそも富士見ミステリー文庫の点数も少なく、かなり苦戦の模様。内容はどちらもなつかしきSF+青春小説あるいはSF風味ジュブナイルを骨子として、登場人物をライトノベル風にデフォルメした感じで、岬兄悟火浦功を思い出したり。ハヤカワ文庫や角川文庫などで展開されていたSF(風味)小説は、確かにライトノベルの源流のひとつのなのだなぁと今更ながら納得。
 さらにいえば、星屑はライトノベル的に洗練されている感じがします。高貴な幼女の暴走にお守り(重り?)役の少年が巻き込まれ、最終的に謎解きになる構造の富士見ミステリーというと、どうしても別の作品を思い出します。食卓の方は80年代SFコメディ風味を強く残しているのでしょう。女子高生+ビール好き+人妻という属性満載のヒロインも、何となく作品と馴染んでるような設定倒れのような。そうした微妙な加減(ほめてるんですよ)は岬兄悟のラブ・ペア・シリーズに通じるような気もしたりしなかったり。